2022/03/24
人間にとって快適と実感できる気温は、20度から25度までとなっています。その条件を満たしているのが我々が暮らしている日本であり、4つの季節が存在する理由にもなっています。ところが昨今では地球温暖化の影響により、真夏だと40度近くなることがあることは多くの方が実感されているでしょう。いつの間にか熱帯地域と同じ環境となっており、生活必需品としてエアコンが欠かせなくなりました。
いろんな施設で空調機が大活躍をする時代になりましたが、医療施設では特にきめ細かい温度管理を実施されているのがポイントです。なぜこの施設では逐一温度管理をなされているのか、その理由を解説していきます。大学病院や総合医療センターなどでは、各階・病室・診察室に温度計センサーというものを設置しています。このセンサーには温度だけでなく湿度も同時に測定できるようになっており、その数値をモニターで観測することが可能です。
温度管理を徹底している理由は、院内感染を未然に防ぐ狙いがあるからです。1990年代に大学病院で集団院内感染が多発する事例があり、その原因となったのが高温多湿になっていました。感染症を引き起こすウイルスは乾燥をしている場所で繁殖をする傾向が強く、それを防止するには人の手によって温度管理をおこなわないといけません。各種センサーを設置することを厚生労働省では義務付けており、病床数によってセンサーの設置個数は異なります。